相続登記をする場合には全ての手続きが無料で行えるわけではありません。必要な書類を揃える費用に加えて、申請手数料や専門家への相談費用など多岐にわたります。今回紹介する相続登記に関連する必要な費用について知っておきますと、いざという時にも慌てずに費用の準備ができます。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

相続登記に関連する費用を学ぼう


相続登記は、遺産を相続する際に行う名義変更などのことを指しますが、大切な不動産物件を譲り受けることから、必ず行う必要があります。そのためには様々な費用を計上しておく必要がありますが、どのような項目があるのでしょう。

権利変動の登記に関係する費用

権利変動の登記とは、亡くなった方のものだった不動産の権利を、新たな持ち主となる遺産相続をする家族に変動させる手続きです。この手続きには、多くの不動産取引でも費用として計上される登録免許税が掛かります。この税金は不動産物件の評価額に応じて納める金額が異なります。また多くの物件を相続する場合には、その分納める税金も増えます。

被相続人に関連した戸籍などの書類費用

戸籍関係の手続きは面倒で、戸籍謄本や戸籍抄本などの違いもあまり良く分からいのが現状です。また本籍地まで行って取り寄せる必要があるなど、準備にはゆとりを持って行動した方が良いでしょう。1通は500円程度ですが、複数必要な場合や相続をする人数分必要な場合など、積み重なると大きな出費となります。

現状の登記状況に関する書類費用

現状の登記状況を確認する為には、手続き前に登記簿の内容を把握する必要があります。また手続き後には、しっかり登記簿の内容が一致しているかを確認するために、再度登記簿を取り寄せて確かめます。1通1000円もしない金額ですが、不動産物件の数が多い場合にはその分出費が増えます。

相続登記の作業を委託する際の費用

相続登記の相談は、司法書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。面倒な手続きを一括して依頼できますので、間違えて二度手間になるようなこともなく安心です。依頼する事務所によって、様々な料金プランや費用設定がありますが、5万円前後で依頼できるケースが多いようです。しかし安さに釣られて依頼した結果、追加料金ばかり請求されるなどのトラブルもありますので、十分注意して申し込みしましょう。

相続登記で気を付けたい4つのポイント

では実際に相続登記をする場合、どのようなことに注意すると良いのでしょう。今回は4つのポイントについて紹介しますので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

10ヶ月以内に税務署に申告と納税をする


相続登記をする場合、登記の手続きだけでなく税金を納める必要があります。しかしいつまでも受け付けしている訳ではない相続登記は、亡くなった次の日から数えて10か月以内に全ての手続きを完了させる必要があります。故意に遅らせたのでない場合には、特別措置などもあるようですが、基本的には期限を過ぎて手続きをする場合、税額が加算されるペナルティが用意されていますので注意しましょう。

相続に関与する人がいる場合は早めの対応

10か月もあれば余裕で処理できる…と思う相続登記ですが、実際には1年近くの期間があっても、日常生活の忙しさに加えて故人の法事なども多い時期ですので、あっという間に過ぎ去ってしまいます。相続に関する手続きや話し合いがある場合は、早めに行動しておくと安心です。

戸籍などを集めるのに時間がかかる場合がある

専門家に全ての手続きを依頼するのであれば別ですが、個人で進めることもできる相続登記は、手続きそのものの手間よりも、戸籍などに関連する書類の取り寄せの手間が大きくなります。間違えずに必要な数を揃えなければいけない緊張感もあり、取得のミスなどによって再度役場へ足を運ぶことにもなり兼ねません。慌てて準備をすることで余計にミスが増えますので、ゆとりがある計画を立てて手続きをしましょう。

トラブルを防ぐためにも第三者の司法書士に依頼する

相続登記は、その後の不動産管理にも影響がある大切な手続きです。費用を削減して自力で頑張るのもよいですが、できれば司法書士に任せてしまった方がスムーズです。特に多くの不動産物件を受け継ぐ方や、金額が大きい不動産を取扱う場合には、専門家に相談して早く手続きをして負担を軽くするのも一つの手段です。自力での手続きと悩んでいる方は、電話などで問い合わせをしてみるだけでも良いアイデアが浮かぶかもしれません。

個人で相続登記をする場合の注意点

それぞれの考えによって実現できる相続登記ですが、中には個人で全ての手続きを進める方もいます。費用を掛けるゆとりがない方もいますが、受け継ぐ不動産物件が少なく、相続したことを実感するためにも自力で行って知識や経験を増やすのもよい策です。ではどのような点に気を付けると良いのでしょう。

何をするべきか全体の流れを把握

相続登記に限ったことではありませんが、どのような流れで進めるべきであるか全体の流れを把握することが大切です。特に相続登記のように、申請に関係する必要書類が多い場合には、その書類を取り寄せる日にちに余裕を持たせるなどの工夫が必要です。また次に何をするのか明確にしておくことで、スムーズに行動できます。

必要な書類の取り寄せには余裕をもって対応

戸籍に関する書類など、本籍地へ足を運んで取り寄せなければいけない可能性が高いでしょう。あまり申請期限ギリギリに行動しますと、取り寄せるまでに時間が掛かる場合や、行こうと思った日に急用ができてスケジュールが変わるなどのトラブルが考えられます。多少の変更があっても問題なく手続きが進められるような、時間にゆとりを持って相続登記をすると円滑に完了します。

分からないことは問い合わせする


税務署や法務局は、相続登記の受付だけをするわけではありません。税金や登記に普段から関わる人が数多く働いていますので、分からないことに対する回答も素早く得られます。便利な相談窓口などを上手に活用しますと、個人での手続きもスムーズです。ある程度自分で調べても解決できなかった場合は、税務署や法務局に問い合わせしてみるのがおすすめです。

税務署や法務局の場所を確認

市区町村の役場では行えない相続登記の手続きは、税務署や法務局へ出掛ける気概が多くなります。普段あまり出掛ける場所ではない方も多い税務署や法務局は、足を運ぶ前にしっかり位置情報を取得しておくと良いでしょう。最近はスマートフォンやカーナビなどで外出先でも簡単にいきたい場所を調べられますが、念の為ある程度の場所は知っておくと役立ちます。

記入漏れなど書類の不備は良く確認

書類に不備がありますと申国手続きが滞ってしまう相続登記は、個人でおこなう場合は十分注意する必要があります。司法書士などの専門家に依頼しますと細かな点まで気づいてもらえますが、自分で行いますと作成もチェックするのも自分である可能性が高いです。持参前には良く確認をして、記入漏れや添付書類の用意をしましょう。

相続登記に必要な費用や書類を知っておこう

いかがでしたか。相続登記は面倒なイメージがある事務作業ですが、事前に内容を把握しておきますと、専門家に依頼する場合でも大まかな流れが理解できます。是非今後に活用させてみてはいかがでしょうか。