亡くなった人が所有していた不動産を相続登記する際には、様々な書類を用意する必要があります。相続登記は家族や親族との慎重な話し合いも必要で、円滑に手続きができるのが理想です。今回紹介する必要書類を参考にして、スムーズな相続登記を進めてみましょう。

目次

亡くなられた方の書類


相続登記をする際には、元々の所有者だった亡くなった人の書類を集める必要があります。場合によっては、遠くの市町村役場まで足を運ぶ必要がありますので、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。一体どのような書類が必要なのでしょうか。

戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍)

相続登記をする場合には、亡くなった方であると同時に元々の不動産の所有者だった被相続人の戸籍謄本が必要になります。これは被相続人の出生から死亡までが連続した戸籍である必要がありますので、似た書類である戸籍抄本とは異なりますので注意しましょう。本籍地の市区町村役場で取り寄せることができますが、有料になりますので金額を確認しておきましょう。

被相続人の住民票の除票

また被相続人が亡くなっていることを証明するためには、住民票の除票が必要になります。これは亡くなったことで、その地域の住民ではないことを証明するもので、市区町村役場へ行って取り寄せる必要があります。戸籍謄本同様に有料で取得する必要がありますので、事前に金額の確認をしておきますと安心です。

相続人の方の書類

今度は財産を受け継ぐ相続人が準備する書類の紹介です。被相続人よりも準備するものが多いですので、忘れないようにチェックしながら準備を進めましょう。

相続人全員の現在の戸籍謄本

まずは相続人全員の現在の戸籍謄本が必要になります。相続人が一人の場合には一人分で良いですが、複数で財産を分割する場合にはその人数分の戸籍謄本が必要です。戸籍謄本は、現在戸籍がある市区町村役場で有料にて取得できます。

相続人全員の住民票(財産をもらい受ける人のみ)


戸籍謄本とは別に相続人全員の住民票が必要になります。しかしこれは相続登記など財産を受け取る人のみの住民票で問題ありませんので、相続人であっても財産を受けとらない場合には住民票は不要です。

相続人全員の印鑑証明書

相続人全員の印鑑証明書も必要です。印鑑証明書は相続登記などで財産を受け取る人だけでなく、受け取らない人も含まれますので、全ての相続人が用意します。戸籍謄本や住民表と同じく、有料で市区町村役場できます。

遺産分割協議書

遺産分割協議書は、相続人全員が想像内容に同意したことを証明する文書です。この遺産分割協議書には、法定相続人全員の印鑑証明書付きである必要ありますので、先程紹介した印鑑証明書が全員分必要な理由がここで分かります。

その他の必要書類

被相続人や相続人に関する書類以外にも、まだ用意しなければいけない書類があります。全ての書類が揃っていませんと、相続登記の手続きを完了させることはできません。十分注意をして、漏れが内容に事務作業を続けましょう。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は、その不動産の価値や評価を証明する証書のようなものです。この書類がありませんと、相続登記をする不動産の情報を入手できません。必ず用意するようにしましょう。

相続する物件の登記簿謄本

登記簿謄本は、不動産を所有する持ち主が持っている権利書のような存在で、大変重要な書類となります。相続する物件の登記簿謄本でないと意味がありませんので、複数の不動産がある場合には、他の登記簿謄本と混同しないように注意が必要です。

相続登記の流れ

初めての場合は想像がつかない相続登記は、どのような流れで進むのでしょうか。大まかな流れを知っておきますと、安心して対応することができます。相続に関する話は場合によっては家族や親族と意見が食い違ってトラブルになっていることもあります。できればスムーズに進めるためには、事前の準備や心構えも重要です。

まずは遺言の有無を確認する

相続登記をする時に一番ポイントとなるのが遺言です。遺言がある場合とない場合では話が大きく異なるだけでなく、相続への対応も変わっています。しかし遺言があることを分かっていても保管場所が分からない場合や、ないと思って相続登記を進めている時に途中で見つかるということもあります。このようなトラブルを未然に防ぐためには、普段からコミュニケーションを図って良く話をしておくことでしょう。遺言がある場合には、その内容通りに相続を進めます。

登記事項証明書を取得

登記事項証明書を取得します。登記事項証明書はオンライン請求もできる書類で、登記記録に記録された事項の全部または一部を証明した書面のことを指します。登記事項証明書は、法務局で所得することができますが、有料ですので事前に金額を把握しておくと安心です。またオンラインでの取得にも料金が発生しますので注意しましょう。

相続登記に必要な書類を集める

相続登記には被相続人側の書類から相続人の書類、その他不動産関係の書類まで様々です。全ての書類が不備なく準備できていることを確認すると同時に、紛失などをしてしまわないように手続きまで、大切に保管しておきましょう。

上記で紹介した申告書類の作成

取り寄せる書類も多いですが、記入しなければ書類も多いのが相続登記です。記入漏れや記入ミスがありますと、二度手間になって再度提出するために法務局へ出掛けることになります。何度も不備がないことを確認したうえで準備を進めるようにしましょう。

法務局に申請する

全ての準備が揃った段階で法務局へ行って申請手続きをします。この申請手続きが完了しますと相続登記が無事に行われたことになりますので、被相続人から受け継いで不動産を相続したことが証明されるようになります。

どちらが良い?相続登記の手続きのポイント

相続登記をする場合には、自分で全てを行うこともできますが、専門家に任せることもできます。費用面や相続登記の件数にもよりますが、どちらを選択することが正しいのでしょうか。相続登記を自分で行う場合と専門家に頼む場合の違いを紹介していきます。

時間が掛かっても安く済ませられるのは自分で作業をする場合

相続登記をする時期は、亡くなった方の法事や法要も数多くある時期ですので忙しいことは確かです。しかし、なるべく費用を抑えて自力で進めることもできる相続登記は、相続する不動産の件数が少ない場合や、相続人が少なく話がまとまりやすい場合には、わざわざ専門家へ依頼することはないでしょう。

やり遂げる自信がない場合は初めから専門家へ

相続登記は書類の準備だけでも手間がかかりますが、聞き慣れない言葉や普段使用しない文書を取扱うことから、事務作業が得意な方でも気が引けてしまいます。そのような苦手意識が強い方や忙しい方、最後まで進められる自信がない方は、最初から専門家へ相談をして一括依頼してしまうのも良いでしょう。

途中から専門家に相談することもできます


とりあえず自力で相続登記を進めて、できる所まで行った段階で不安になった時に専門家に相談をして最後の仕上げをすることもできます。途中からの依頼ですので費用を抑えられる上に、仕上げを任せているのでチェック体制が万全になり、二度手間になるようなミスを防ぐことができます。とにかく自分で一度やってみたいという方は、初めから専門家に任せるのではなく、相続登記を経験することをおすすめします。

自分が一番やりやすい選択をしよう

費用のことを気にするのも大事ですが、複雑で大掛かりな手続きなる可能性もある相続登記は、無理をして自分で進めて何度も書類の不備を訂正するようでは意味がありません。専門家はプロですので、確実に素早く丁寧に相続登記を進めます。自分で経験をすることも重要ですが、今の自分に合った方法を選びましょう。

どうしたら回避できる?相続登記でトラブルにならないようにするコツ

家族や親族が真剣に話し合う機会が増える相続の際には、できればスムーズに手続きが終わるのが理想です。しかし本音で話し合うことが多くなることから、普段とは違う家族や親族の素顔が見えるかもしれません。相続登記でケンカしないためには、どのようにすると良いのでしょうか。

普段からのコミュニケーションが大事

相続の話になってから急に顔を合わせる機会が多くなりますと、会うたびにお金や財産の話しをするだけの関係になってしまいます。しかし普段から交流がありますと、そのようなトラブルがなく、多少の言い争うになる程度で終了します。相続登記はトラブルがこじれてしまいますと、裁判での争いになりかねませんので十分注意が必要です。

相続人としての意見を言っても良い

不動産を相続する相続登記は、形がある物を分割しなければいけませんので、時にはトラブルになります。しかし、問題を回避するために話し合いの時に何も意見を言わず、後になって文句を言って問題を大きく発展させてしまう方がいます。このような方法はあまり好ましくないので、なるべく相続人が集まる貴重な時間を使って意見を言うことが大切です。

あくまでも代わりにあずかるという気持ちで相続する

自分の取り分を増やそうと考えますと、どうしても欲が出てしまいますが、亡くなった被相続人が築いたものや受け継いだものを、自分が代わりに管理する程度の楽な気持ちで相続をした方が問題も大きくならずトラブルにもなりにくいでしょう。改めて相続登記について考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか。相続登記には沢山の書類が必要であることが良く分かりました。法事などが続く忙しい時期に行う相続登記ですが、円滑に進められるように事前の準備や心構えができていますと進行状況も変わります。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。