土地を相続する方にとって重要な相続税路線価ですが、日常生活で関わることが少ない分、あまり詳しく知らないのが現状です。今回紹介する相続税路線価の見方や注意点を参考にしますと、今後に役立つ情報として知識が増やせます。一体どのような内容になっているのでしょうか。

目次

相続税路線価の基本

土地を相続する方に欠かせない相続税路線価のことを知っておきますと、その後の手続きなどもスムーズに進められます。ここでは相続税路線価の基本について紹介します。

相続税の計算に必要不可欠

相続税の計算をする場合、相続をする遺産にどのくらいの価値があるのかを把握する必要があります。そのため相続税路線価は、相続する土地の評価を知るうえで大変重要です。路線価を知りたい場合には、国税庁や税務署へ行って調べるのが一般的でしたが、最近ではインターネットを使用して国税庁のホームページから簡単に調べられるようになりました。

市街地の道路の価格

相続税評価額に欠かせない地価公示価格は、国土交通省が示す土地の価格です。元々は公共事業用地の取得価格算定の規準となるものですが、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるものにも活用されます。土地の適正な価格を判断する客観的な目安が必要な場合に最適です。

路線価の確認方法

路線価の確認をする場合には、国税庁や税務署へ直接行って路線価図で確かめる方法もあります。その他には国税庁のサイトからアクセスすることで、わざわざ出向いて調べる必要もなく、時間を短縮して相続の手続きが進められます。

見直しされる路線価

毎年変わる路線価は、地域によっては値下がりが続く場合や急に評価が高まるなど、様々な影響が現れます。経済情勢なども大きく関わる路線価は、景気などの動向も連動して世の中の動きに関心を持つことが重要です。

固定資産税路線価との違い

相続税路線価だけでなく固定資産税路線価もあります。贈与税や相続税は相続税路線価で算出されますが、不動産取得税や登記免許税、固定資産税などは固定資産税路線価を使用して算出されます。似たような名前の路線価ですが、用いる時が異なりますので良く覚えておきましょう。

路線価がない場合もある

路線価方式でないもう一つの相続税評価方法は、倍率方式と言う方法で計算されます。路線価はあくまでも道路の価格という考え方で、国税庁が公表する路線価図は主要な市街地を走っている道路に限って設定されています。そのため、地方を含む多くの地域では、路線価方式による算出ができずに倍率方式が採用されます。

路線価の計算方法

では実際に路線価の計算をする場合、奥行価格補正についても考える必要があります。奥行が長くなると土地が使いにくい一方で、極端に奥行が短くなっても、同様に土地が使いにくくなります。こういう場合は、評価額の減価補正をしようというのが、奥行価格補正の考え方です。このように奥行価格補正率を用いて路線価を計算しますと、その土地に合わせた最適な評価が行われます。

相続税路線価のポイント

素人には判断できなことも多い土地などの不動産ですが、相続税路線価にはどのようなポイントや注意点があるのでしょう。

節税対策にならない場合もある

相続税路線価の評価を上手く活用して、少しでも納める税金を削減しようとするのは誰も同じでしょう。しかし全ての土地が節税対策に該当するとは限らず、様々な土地の状況によって、大きく納める税金を削減できるものから無理なものまで幅広くあります。

角地だと評価が上がりやすい


利用価値が高い角地の場合、土地の評価が上がりやすいとされています。マンションなどの集合住宅も角部屋に人気が集まると言われていますが、土地の評価も角地は高く評価されます。やはり両隣がよその家である土地よりは、片側のみがよその家である角地のほうが購入などを検討する際にも目に留まります。道路に面する部分が多くなり危険を感じるかもしれませんが、開放的なのはやはり角地でしょう。

難しい土地は専門家に相談

しかし土地に関する特別な知識がない方が様々な評価に関わるのは難しく、思うように進まないことも良いでしょう。自力で手続きを済ませたあとに間違いなどがありますと、修正申告をする必要が求められるなど、二度手間になる可能性があります。初めから専門家へ相談することで、スムーズに相続税の相談ができます。今後予定がある方は、自分に合った方法を選んで積続きするようにしましょう。

土地の評価に詳しい税理士を探そう!

相続税路線価の内容は、複雑な面も多い上に普段の生活では関わることが少ないため、知識を増やす機会があまりありません。時間を掛けて土地に関する相続税の手続きをするのであれば、初めから専門家を探しておくのも一つの方法です。どのようにしてプロの力を借りると良いのでしょう。

自力での手続きが無理だった場合には専門家へ相談

初めから税理士に任せてしまう方も多い相続税の手続きですが、自分でできる範囲まで自力で進めて、最後に確認を含めて税理士に相談をしてアドバイスを受けることもできます。このように利用する回数や項目を減らすことで、税理士に支払う報酬を削減してプロフェッショナルに頼ることができます。

土地の評価や相続税に詳しい税理士を探す

では実際に税理士に相談する場合、有資格者であれば誰でも良いというわけではありません。土地や相続に詳しい専門家がおすすめで、同じ税理士などの有資格者であっても、得意分野や豊富な相談実績がある分野があります。利用先を決める場合には、何を得意としている専門家であるのかをきちんと把握して、依頼を検討するとスムーズです。

少しでも利用料金を抑えるコツ


税理士などの専門家に任せてしまえば楽に手続きができる土地の相続ですが、ある部分までは自力で行って、その先は専門家に任せるという依頼方法で費用を節約することもできます。たとえば必要書類を用意して、記入できるところまで書類を作成してしまいますと、最後の確認や修正申告をしなくて済むように漏れなどがないことを確認してもらうだけでも楽です。全てをお願いすればその分費用が掛かりますので、自分できることは少しでも頑張ってやってみるのも良い経験となります。

独断で決めず家族や親族にも意見を聞く

専門家に依頼する場合には、独断で依頼策を決めてしまうよりも、家族や親族に相談をして了承を得たから進めた方が後になってトラブルにも繋がりません。また家族や親族が良い専門家を知っている場合もありますので、正式な契約前には周囲に相談をしてから最終決定をすると良いでしょう。

適切に納税するための頼れるパートナーと位置付ける

難しく細かい項目が多い相続税ですが、専門家任せで何も分からない状態ではなく、この機会に少し知識を増やして今後に活用するチャンスであると考えるのがおすすめです。相続税を適切に納めるためには、専門家の手助けが必要で、面倒なことを引き受けてくれる人物と考えるのではなく、頼れるアドバイザーとして税理士を利用することで、その後の生活にも良い影響が与えられます。

家族や親族と土地の奪い合いをしないようにするには?

土地などの不動産物件を相続する場合、家族や親族と言い争いになるケースも珍しくありません。大人同士のケンカは修復が難しくなり、裁判にまで発展することもあります。遺産相続による揉め事を回避するためには、どんなことに気を付けるのが良いのでしょうか。

普段からのコミュニケーションが大事

久しぶりに顔を合わせて急に遺産の話をしても、どんなに家族や親族でもケンカになるのは当然でしょう。普段からコミュニケーションがしっかり図れていますとそのような心配もありませんが、それぞれの生活拠点が昔とは違うなどの理由から、疎遠になってしまう家族や親戚は多くあります。それは親子や兄弟姉妹でも同じで、上手く関係性が築けていないまま遺産相続の話に突入してしまいますと、遺産の金額に関わらずケンカになります。たまには時間を設けて食事をするなど、普段からの交流が重要です。

一つの土地は一人が受け継ぐ

土地の相続でケンカになることが多いのは、一つの土地を複数人で相続する場合です。大体で分割をしてそれぞれがその土地に家を建てますと、ご近所トラブルのように敷地への侵入など境界線がないことでケンカになることがあります。費用がかかりますが、壁や塀を設けて敷地を明らかに分割しておくことによって、相続後にケンカをすることがなくなるのでおすすめの方法です。

自分の考えだけを主張しない

遺産相続の話し合いは、その人の本性や性格が出ます。普段大人しい方でも、お金が絡むこともあり、しっかり意見を言うような場面を見ることもあります。意見を言うことは大事ですが、周囲の話を聞かないような態度ではケンカに繋がるような争いが引き起こされてしまいます。自分の意見を言いながらも、周囲の様子を見る余裕が求められます。

土地以外の財産をもらえる可能性を考える

相続には様々な形があり、不動産物件だけが遺産ではないことが多いです。土地の相続にこだわることはなく、土地を相続しない分現金を相続できることも考え、一つの物を無理に他の家族と奪い合うような態度は控えましょう。あくまでも亡くなった方の代わりに自分が管理すると捉え、自分の身の丈に合った内容を相続するとスムーズです。

まとめ:毎年見直しがある場合もあるのでしっかり確認しよう

いかがでしたか。相続税路線価の見方や注意点について理解しておきますと、毎年見直しが行われて変動がある相続税路線価であっても、ある程度の計算や評価額を算出することができます。土地の評価を知ることは、現在の世の中の土地の相場や景気を理解することにも繋がります。気になる方は、更に詳しく調べて参考にしてみてはいかがでしょうか。