少子高齢化社会が加速して進む現代では、介護問題を切り話して世の中について考えるのは難しくなっています。今回紹介する介護問題の現状と対策では、今後に役立つ詳しい内容が多数紹介されています。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

介護問題の現状とは

  介護問題の現状はどのようになっているのでしょう。

介護難民が増えている

介護難民とは、受けたい介護サービスが適切に受けられずにある状態のことです。小さな子供が保育所へ入所できない待機児童が問題になっていますが、それと同じように介護施設に入れない高齢者が数多く増えているのが介護難民です。保育所も施設を増やしても保育士不足が叫ばれていますが、介護施設も施設数を増やす一方で、人材を確保する為に苦労をするケースが多いようです。

老老介護が増えている


老々介護とは老人が老人を介護する状態で、夫婦や高齢の子供と親などの組み合わせで介護をするケースがあります。夫婦の場合にはともに年齢を重ねていますので、仮にどちらか一方だけが介護が必要な場合、もう一方の元気な配偶者が老いた体で介護をすることになりますので、体力的にも精神的にも限界があります。このような場合、子供がいても遠方に住んでいて協力が得られないなど、老々介護を選択するしかない現状が多いようです。

孤独死が増えている

周囲との関係を遮断して生活してしまいますと、亡くなっていることに誰も気が付かないまま孤独に死を迎える方も増えています。家族や近所との交流がある場合には、数日顔が見えないだけで周囲から心配されて、電話や訪問されるなどの気遣いがあるはずです。しかし孤独死をする方の多くは、近所付き合いや身内との関係も希薄な場合が多く、一人静かに亡くなってもしばらく気がついてもらえないのが現状としてあります。

介護施設での問題点

では、介護施設ではどのようなことが問題になっているのでしょう。通いで利用する方から自宅のようにして暮らす方まで様々いる介護施設ですが、利用する方にも様々なタイプの方がいることから、スタッフとして関わる介護職員は苦労が絶えません。

高齢者虐待が増えている

限られた人数で決まった介護サービスを提供する必要がある介護スタッフは、利用者の方のいうことを聞きながらもスムーズに対応する能力が求められます。しかしスタッフと利用者の気持ちが一致しないような状況に陥りますと、言うことを聞かせようという考えから、虐待をするような行動に出てしまう問題があるようです。閉鎖的な空間で介護サービスが提供されることが多いので、実際にはあまり周囲に知られることもないのが現状でしょう。しかし一度知られてしまいますと、施設の信用問題にも関わる大きな事件となります。虐待をしないような環境づくりやスタッフへの指導が求められます。

職員のストレスが溜まりやすい

忙しい労働環境な上に人との関わりが多い介護スタッフは、ストレスが溜まった状態で働いているケースがあります。また待遇面が充実していない場合もあり、休みが少ないことや給与の金額に不満を持った状態で働いているなど問題が蓄積しているケースが多いようです。

施設内での医療ミス

忙しいことを理由に医療ミスが起こるのは問題ですが、少ない人員で働いている場合が多い介護施設は、伝達ミスなどの小さなできごとをきっかけに、医療ミスが増えています。場合によっては命にもかかわる医療ミスは、絶対に起きてはいけない事故ですのでどんなに忙しい状況であっても確認作業を念入りにするなどの工夫が必要です。

介護問題の対策


様々な内容が含まれる介護問題はどのように対策をすると良いのでしょうか。

健康管理を怠らない

介護を受けるような立場にならないようにすることは難しいですが、少しでも期間を短縮することは可能です。まず年齢を重ねても健康管理をしっかり行い、できる限り自力で何でも行えるように日々元気に過ごすことです。認知症など防ぐことが難しいものは仕方がありませんが、転倒など骨折をきっかけにけがをしたことでそのまま寝たきりなる方も少なくありません。自分自身の体へのケアは自分で行うのが一番ですので、できることから少しずつ取り組んでみましょう。

貯蓄をしっかりする

ある程度貯蓄に余裕がありますと、費用を気にせずに適切な介護サービスを受けられるようになります。そのためには若い時から老後用に貯蓄をしておくなど、いざという時に慌てないような資産の運用が望まれます。少額ずつでも良いので、若い時から老後積立をすることで貯蓄は増やせます。仮に30歳から60歳まで毎月1万円積み立てをしますと、30年間で360万円の貯蓄が増やせますので、大きな老後資金の足しになるでしょう。

たくさんの知識をつける

介護に関する情報やニュースは、内容の変更や決まりの改正が多いので、適切な情報をしっかり把握するためには世の中の動きをキャッチする必要があります。介護の専門的な知識も重要ですが、自分や家族が実際に介護を受ける立場になった時に困らないような、必要な知識や正しい情報の把握は重要です。

介護施設で働くスタッフの人材不足も問題

介護施設で働くスタッフの人員が不足していることも、介護問題の現状として大きな問題です。一体どのような理由が隠されているのでしょう。

若い職員が育たない間にやめてしまう

大変な仕事のイメージがある介護の仕事ですが、夢や志を持って介護の勉強をして働こうとする若い人が全くいないわけではありません。しかし働き始めても想像以上に大変でやめてしまう場合や、施設との相性が合わないケースもあるようで、主様に実績を積めない状態で退職する若いスタッフが多いようです。これは若い人に問題があるだけではなく、指導をする余裕がない忙しい施設の環境にも問題があり、思うようにならずに困っている経営者が多いとされています。

待遇面での不満が多い


どんなに好きな仕事で夢を持って働いていても、それなりの待遇面の充実を求めるのは当然です。例えば夜間勤務の多さや働いたわりに給与面が不足しているなどのほか、休日もしっかり設けられていないような現状も多いようです。多くは少ない人員で働いていることによるしわ寄せが大きく、スタッフの急用や急病人の発生によって思いかげず働く時間や日数が増えてしまうことが原因とされています。その分給与や賞与が増えていると不満がないのかもしれませんが、経営に苦しむ介護施設も増えていてそれほど高収入が得られる機会が少ないようです。

資格を活かして働く環境の整備

介護のスタッフとして働く方の方には、特別資格を持たずに働く方と介護福祉士などの有資格者もいます。せっかく長く勉強をして頑張って国家資格を取得したにも関わらず、結局別の仕事をして介護に携わっていないような方もいます。即戦力として働く機会があると更に勉強に励む若者が増える介護福祉士などの資格は、積極的に活用するのがおすすめです。しかし最近では学費を免除する代わりに決まった施設で数年働くような制度も用意されていて、働く人を確実に欲しい施設側と勉強する費用を削減して学べる学生側の思いが合致する制度が設けられています。

まとめ

いかがでしたか。介護問題は様々な面でのトラブルが多く、今すぐ解決できそうなものから時間を掛けてじっくり見直す必要があるものまで多々あります。介護問題の現状と対策について更に興味や関心を抱いた方は、更に詳しく調べてみてはいかがでしょうか。