様々な種類がある年金ですが、付加年金の仕組みについて知っておきますと、得をする場合があります。今回紹介するメリットやデメリットを参考にして、付加年金について学ぶことをおすすめします。該当する可能性がある方だけでなく、あまり関わりがない方も知っておいて損がありません。是非今後に役立ててはいかがでしょうか。

目次

付加年金の仕組みについて


付加年金という言葉を聞いた時に、どのような年金で何を表しているのかがすぐに分かる方はあまりいないかもしれません。知っているようで知らない付加年金とは、どんな仕組みによって構成されているのでしょうか。

付加保険料を払って受給年金増やす

付加年金保険料とは、将来より多く年金が欲しい方のための制度になっています。付加年金は国民年金保険料に400円上乗せして支払うことで、200円×付加保険料納付月数の金額だけ上乗せした年金が受け取ることができます。仮に10年間付加年金を支払いますと、合計48,000円の負担になりますが、受け取り年金額は毎年24,000円 増えます。自営業者やその妻などの第1号被保険者であり、更に国民年金基金に加入していない人がこの付加年金に加入することができます。

国民年金第一号被保険者が該当


この付加年金に加入できる該当者は、国民年金第一号被保険者で、自営業者やその妻などが該当します。また農業者年金加入者や任意加入被保険者も該当します。厚生年金に加入するサラリーマンやその妻などは該当しませんので加入することはできません。老後の生活が不安定になりやすい自営業者やその家族をサポートする役割があるのが付加年金制度です。

月額400円の付加年金保険料


付加年金の保険料は月額400円となりますので、今までの保険料に400円上乗せするだけで将来受け取ることができる年金額を増やすことができます。例えばいつも買っている雑誌を一冊我慢するほか、タバコを買う回数を減らすなど、少しの工夫をして保険料を上乗せするだけで、大きな出費をすることなく将来に備えることができます。

付加年金のメリットとデメリット

老後の生活が心配な自営業者やその家族が利用できる付加年金は、メリットだけでなくデメリットなる部分もあります。良いことばかりを想像して付加年金の申し込みをするのではなく、マイナス面も考慮して申し込みをした方が後悔しないはずです。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

納めた付加年金保険料よりも受給増

付加年金の最大のメリットは、納めた保険料以上に受給額が増える点です。保険料などのイメージは、元本割れなど入金される金額の方が納めた金額よりも少ないことが多いですが、付加年金はその点が異なります。大きな保険などを利用して将来に備えることが難しい方でも、月額400円の付加年金の場合ですと、スタートしやすいという特徴があります。

生きている限り受給される付加年金

付加年金は生きている限り受給されますので、一度加入をして保険料をしっかり納めますと、ずっと受給できるお得感が強い年金になります。自営業者やその家族の場合には、老後への備えができる定年退職金制度があるわけではありません。しかし付加年金によってわずかでも老後の準備の足しができることは、大きな安心感に繋がります。

加入と脱退に制限はない

加入や脱退に制限がある年金などもありますが、付加年金制度の場合にはそのような縛りは一切設けられていません。加入後すぐに脱退するなど、加入してみてそれほど必要性を感じなかった場合などに便利で、自由な選択ができる良さがあります。

サラリーマンは加入出来ない

国民年金第一号被保険者が加入できる付加年金制度は、サラリーマンなど厚生年金加入者は利用できないというデメリットがあります。付加年金制度の基本は、不安定な老後を迎える可能性が厚生年金受給者であるサラリーマンよりも高い自営業者を支援するのが主な存在理由となっていますので、厚生年金に加入するサラリーマンは利用できません。

受給額は固定金額

付加年金の受給額は固定金額となっていますので、決まった金額の受給額となります。大きな変動などがないという安心感がありますが、その反面長く継続していても金額に変化がない寂しさがります。しかし生涯受け取ることができる付加年金は、少しでも長生きをしてしっかり受給されるようにしようと意欲がわきます。

国民年金基金と同時加入出来ない

国民年金基金と同時加入ができない付加年金は、国民年金基金付加年金のどちらか一方の加入を選択しなければいけません。どちらも将来に備えることができる年金ですが、どちらを選ぶのかを決めるのが難しい場合もありますが、自分が安心して老後を迎えることができるようにするのが大切です。そのためにも様々なシミュレーションを重ねて、より良い選択をしましょう。

付加年金の申し込みに必要なこと

では実際に付加年金を申し込みする場合には、どのような準備をすれば良いのでしょう。できれば円滑に進めたい付加年金の加入手続きは、事前に流れを把握しておきますとスムーズに片づけられます。是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

お近くの市町村役場で相談


付加年金の加入に関する相談は、住まい近くの市区町村役場が担当しています。年金に関する業務を行う窓口を利用することで、こちらの要望などを聞いて対応してもらえます。

加入の意思を伝え年金手帳を見せる

利用する場合には、年金手帳を持参しますと二度手間になりません。付加年金に加入したいことを伝えますと、必要な申請書などが提示されますので加入手続きに必要な箇所に記載をして手続きを済ませます。分からない点や疑問点、加入を迷っている場合には、この時点で相談することで素早く対応してくれます。

前納できる?付加年金のポイント

付加年金に加入することになりますと、様々な点が気になります。その中でも納付に関する疑問を解決しておきますと、加入を迷った際にも決断するきっかけになるかもしれません。付加年金は前納することができるのでしょうか。

付加年金の前納は可能?

付加年金は、国民年金の保険料と共に前払いする前納ができる特徴があります。国民年金は保険料支払いの際に、口座振替の早割で払うと毎月50円安くなるサービスがあります。最大2年分できる前納を利用しますと、もっと割引率が高くなります。これらの制度を利用して付加保険料で増えた分をカバーすることが可能です。少しでも無駄な出費をおさえて将来に備えたい方は、便利な前納制度が良いでしょう。ちなみに納付の仕方は途中からでも変更可能ですので、市区町村役場の年金窓口へ相談してみましょう。

納付はコンビニでもできます

最近では未納や滞納が大きな社会問題になっている国民年金では、少しでも生活に密着させて納付忘れを解消できるように、便利なコンビニエンスストアで支払うことができます。24時間開店していることから、様々な生活スタイルの方が利用できますので、国民年金保険料を納めることも可能になります。自分の暮らしに合わせて納めやすい方法を選ぶことをおすすめします。

付加年金と老齢基礎年金はセットです

付加保険料を納めた方は、将来付加年金として老齢基礎年金の受給権を得たときに老齢基礎年金に加算して支給されます。 付加年金の年金額は、200円×付加保険料納付月数となりますので覚えておきましょう。

自営業の方は積極的に付加年金加入で老後資金を増やせる

付加年金の存在を今まで知らなかった方にとっては、一生涯受け取ることができるお得な年金があるというだけで、少し老後への不安を解消することができます。自営業の方にとっては、サラリーマン以上に老後を心配する可能性が高く、様々な対策や準備をする方も多いでしょう。ここでは自営業の方に限らず、老後への備えで適した行動について紹介します。

現役の時から散財する習慣を持たない

普段の生活をそのまま継続できるのが理想の老後生活ですが、現役で働く時から金遣いが荒い方は、老後生活が始まってもその習慣から抜け出せないことが多いようです。つまり、若い時のお金の使い方で人生が決まるといっても過言ではなく、その人自身を表す行動となってしまうようです。しかし心掛け一つで治すこともできるかもしれませんが、できれば散財する悪い習慣は持たない方が良いでしょう。

規則正しい習慣を崩さない

現役で働いていた時にはできていた生活習慣が、気のゆるみと共に難しくなることがあります。その一つが早寝早起きなどの規則正しい生活習慣で、簡単にできることほど一度崩れてしまいますと戻すのが大変です。早起きが苦手な方は夜早く寝るようにするなど、自分なりに工夫をして過ごすことで、老後も健康的に過ごせます。

食事面にも気を配る

年齢と共に食が細くなる方が多いですが、それでも飲酒する量だけが減らないなどの問題を抱える方も沢山います。必要以上の我慢は良くありませんが、食事内容や飲酒量などには気を配って健康に配慮していくことが重要です。特に一人暮らしの方は、管理してくれる人がいないので十分注意が必要です。

健康でいることは医療費の削減に繋がります

年金の受給額を増やせる付加年金に加入することも大事ですが、それで年金額が増えたからといって頻繁に通院するようでは意味がありません。年金額を増やす以上に大切な健康管理は、無駄な出費を抑えて毎日楽しくすごすことができます。

まとめ

いかがでしたか。年金には様々な種類がありますので全てを把握することは難しいですが、付加年金は知っていた方が良い制度です。厚生年金に加入するサラリーマンなどは利用できない制度ですが、国民年金第一号被保険者である自営業者やその家族などは、加入する価値が高くなります。該当する方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。