将来や万が一に備えるために納める年金ですが、きちんと真面目に保険料を納める方がいる一方で、制度自体への不信感や不満を表現するため、保険料を納めない方が多いようです。うっかり納付し忘れることはあるかもしれませんが、意図的に支払いを拒むのは大きな問題です。一体どのようなマイナス面があるのでしょうか。

目次

国民年金を払わないとどうなるのか学ぼう


国民年金は20歳になった段階で、全ての方が納付する決まりになっていますが、中には一度も支払ったことがない方もいるようです。現在はそのまま逃げ回っていれば済む話かもしれませんが、実際に後悔するのは将来年齢を重ねてからでしょう。真面目に払っておけばよかった…と後悔する前に、支払いを拒むことでどんなことが起こるのかを理解しておきましょう。

老齢年金がもらえない

公的年金の代表的な存在である老齢年金ですが、国民年金保険料を納めた方だけが受給できる年金です。つまり納めていない人が受給者になれるわけはなく、当然ですが老後の主な収入源となる年金を手にすることができません。若い時にはその大変さや深刻さが実感できませんが、年齢を重ねてから後悔する前に、早い段階から国民年金保険料を納める習慣を身につけましょう。

障害年金ももらえない場合もある

障害年金はケガなどによって思うように働けなくなった場合など、特定の症状に対してケアしてもらえる年金です。しかし、全ての方が該当する訳ではなく、老齢年金同様にいざという時に備えておくことが重要です。そのためには、決まった保険料を納めるという当たり前でシンプルなことを続けるだけで、自分や自分の世話をする家族を支えることができます。国民年金保険料をきちんと納めて、将来の万が一への準備をしましょう。

遺族年金がもらえない場合もある

遺族年金は、保険受給者が亡くなったことで一緒に暮らしていた家族に支給される年金で、突然の不幸などの場合もあることから、遺族年金のありがたみを実感できる時があるかもしれません。そのためには、老齢年金や障害年金と同じく、国民年金保険料をきちんと納めておくことです。確かに普段の生活費から将来に備えて出費をするのは気が進まないかもしれませんが、必要な出費であると自分に言い聞かせて費用を捻出することが求められます。

税金で負担される部分もあるため損をする


老齢年金などの年金は、税金で負担されている部分が多く、しっかり保険料を納めて年金が受給されないと、税金だけを納めて年金が受け取れないという損をする状態が続いてしまいます。年金は自分が支払った保険料と税金で構成されていると考えますと、きちんと国民年金保険料を納めて年金を受け取るのが良いでしょう。

年金は国が強制的に保険料を徴収できる

国民年金保険料を納めない人がいる場合、国側は強制的に保険料を徴収することができます。例えば勤務先と連携をして、給与から国民年金保険料を強制的に支払う形を取ることも可能です。納めていないのは自分だけではないから…と開き直るのではなく、勤務先などに未納であることを知られて信用を失うよりも、早く国民年金保険料を納める体制を構築することをおすすめします。

国民年金を払わない人への国の対応

沢山の人が国民年金保険料を納めていないことから、その中の一人なので余裕で逃げ切れる…と高を括っている方も多いでしょうが、国も沢山の対応策を講じています。国民年金保険料を支払わないままでいることで、どのような通達がされてしまうのでしょう。

未納が発覚すると電話や郵便物でお知らせがくる

国民年金保険料が未納であることは、当然ですが日本年金機構ではすべて把握しています。まず未納であることを電話や郵便物で通達して、支払いを促す通知をします。この時点ですぐに支払いに応じれば問題はなく、未納期間が増えてしまう心配もその後通達が続く心配もありません。しかし郵便物を全く開封していない場合や、電話にでない状況などが続きますと、次の段階へ進んでしまいます。

電話などを無視すると自宅訪問されることもある

電話に出ない場合や郵便物を見て納付する様子がない場合には、日本年金機構の職員などが直接自宅に訪問して納付を促すこともあります。これは直接顔を見て話ができるチャンスなので、日本年金機構側にとっても絶好の機会となります。しかし平日日中など留守が多い時間帯にしか訪問できないケースが多いので、思うように納付を促せないこともあります。しかし偶然在宅していて、今まで電話や郵便物に気づいていなかった方など、上手く納付を促せるケースも沢山あります。

最終勧告に近い特別催告状には注意が必要

それでも納付に応じない場合には、いよいよ最終段階に突入してしまいます。最終勧告に近い特別催告状を通達されますと、十分注意する必要があります。あらゆる手を施したにも関わらず、いつまでも国民年金保険料の支払いに応じない場合は、差し押さえ前の段階として、特別催告状が通達されてしまいます。これは初めの頃の納付を促す郵便物とは内容が異なり、より重大な通知となります。この段階で納付をしますと、差し押さえなどの大きなできごとに繋げずに済みます。自分が今どうするべきなのか、よく考えて行動しましょう。

差し押さえ予告を経て差し押さえされる

差し押さえという言葉をよく耳にしますが、国民年金保険料を納めていないことで、差し押さえに繋がってしまうというイメージはあまりないかもしれません。しかし納めるべきものを納めていないということは、違反を続けていることと同じになります。しかし差し押さえをする前に、日時などを知らせる差し押さえ予告が行われます。この予告の段階で納付をしますと、差し押さえ自体からは免れることができます。できれば避けたい差し押さえは、予告の段階での行動が大きなポイントです。

国民年金に関連した詐欺にも注意

国民年金は未納に関することだけが問題ではなく、詐欺事件が多いのも特徴です。年金や税金という特殊なお金の支払いや受給があることから、内容をよく理解しないまま騙されてしまうことが多いようです。一体どのような内容になっているのでしょうか。

日本年金機構に成りすまして連絡してくる

日本年金機構からの電話というだけで緊張してしまう方も多いでしょう。特に高齢者の場合には、自分自身で判断ができないまま話を聞いてしまうことがあり、成り済ました偽物であるにも関わらず、簡単に騙されてしまうようです。多くは還付金などがあるという名目での電話が多く、沢山の詐欺事件が発生していて注意喚起がされていても、巧みな方法で高齢者を騙す詐欺事件はなくなりません。高齢者だけでなく、全ての年代の方が気を付けるべき内容です。

日本年金機構の連絡先を調べ直して確認する

成り済ましの詐欺をする人たちの多くは、プロ集団である可能性が高く、とても巧妙に相手を騙す技を身につけています。少しでもおかしいと思った場合には、日本年金機構の連絡先を確認して、掛かってきた電話の内容を伝えて、そのような電話のやり取りを実際に行っているのか確認しましょう。ちなみに詐欺事件で良くある還付金などの通達は、基本的には電話では行わず、本人宛に郵便で知らせます。自分だけは騙されない…と過信することなく十分注意しましょう。

年金は払いたくないといっても払わないでは済まない

年金は今すぐもらえるお金ではなく、将来やもしもに備えるための保険的な役割があります。そのため、今の生活に精いっぱいの方からしますと、将来のために今の生活がこれ以上苦しい状況になるのは辛いかもしれません。しかし少しの工夫で国民年金保険料を支払えるようになる可能性があります。一体どんな工夫をするとよいのでしょうか。

給料日にすぐ納めてしまう

残ったお金で国民年金保険料を納めようと思っても、ほとんどの方は上手く財源を確保できないかもしれません。しかし給料日にすぐ支払うようにしてしまいますと、残った手元のお金で生活するだけですので、国民年金保険料の未納を気にすることなく生活できます。

クレジットカード決済など便利な納付方法を活用


国民年金保険料を少しでも納付してもらおうとする工夫が進んでいて、クレジットカード決済やコンビニでの支払い、まとめ払いなど生活に合わせた納付が可能です。もちろん従来通りに口座引き落としなどもできます。自分が忘れずに確実に納められる方法を選んで、国民年金保険料を支払いましょう。

いつも保険料のことばかり気にする生活とはサヨナラしよう

支払うことを忘れていた場合ではなく、自分の意思で納付を拒んでいた場合には、保険料を納めていない自分が逃げ回っているような感覚で、あまり気分が良くなかったかもしれません。しかしきちんと納付することを開始しますと、出費は多くなりますが気分はとても晴れ晴れするはずです。最終的には納めなければいけない国民年金保険料は、納めないで済ませようと思ってもそのようにはなりません。未納の郵便物が届いた段階で早く行動するのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。国民年金保険料は20歳から支払うことが決まっているものですが、中には長い間未納期間を延長させて、ずっと納めていないという方もします。真面目に納めている人がほとんどである国民年金保険料は、きちんと支払って将来に備えることが重要です。是非この機会に国民年金保険料についてよく考えてみてはいかがでしょうか。